GIGAスクール構想の問題点を現役エンジニアが解説!

家庭教育
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バトン開発エンジニア

子育て中の理系パパ。機械工学、半導体製造技術の先端技術が専門。

AI時代を生き抜く思考、社会人基礎力、STEAM教育など、これからの時代に必要とされる力を子どもへ伝承すべく、絵本作成など活動中。我が子で実践しながら思考錯誤の日々。

現在、機械系エンジニアとして開発職で働きながら、「子どもに幸福な未来をつなぐ」バトン開発を立ち上げ、事業を運営。

このブログでは「子どもの幸福な未来」のために親としてできる教育に関する情報を中心に発信しています。

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 「GIGAスクール構想」という言葉を知っていますか?

 全国の学校で生徒一人ひとりにタブレット端末やPCを配布し、ICT教育を進める文部科学省の本施策はかなり話題となっています。

 しかしながら、多くのメリットを文部科学省が訴える一方で、さまざまな問題点も指摘されています。

 本記事では、GIGAスクール構想の解説と問題点について解説します。

理系パパ
理系パパ

まだ小学生以上の子どもがいない家庭でも、親としては押さえておきたい内容ですので、ぜひ、最後まで読んで下さい。

GIGAスクール構想でICTを活用した教育を実現する!

GIGAスクール構想とは?

 GIGAスクール構想とは、2019年にスタートした文部科学省が打ち出した構想です。

 AI、ビッグデータ、VR/AR、ロボット技術が普及するいわゆる「Society5.0」を生きる子どもたちにICT(情報通信技術)を基盤とした個別最適化された教育の実現を目指したものです。

理系パパ
理系パパ

「Society5.0」は狩猟→農耕→工業→情報社会に続く新たな社会とされています。

 そして、ICT技術を活用した教育を実現するために「生徒に一人1台の情報端末と学校の通信環境の整備」が実施されています。

GIGAスクール構想の狙い解説!

 もう少しGIGAスクール構想の狙いを解説します。

 メディアでは、「一人一台の情報端末を配布」自体が注目されているように感じますが、端末配布はあくまで手段で、狙いは文部科学省のHPで解説されています。

 ポイントは3つです。

・情報取得能力(情報の取捨選択)
・情報モラル(ネットリンチ、いじめ問題等)
・情報技術(プログラミング等)

 これらの教育のために、一人一台の端末配布や学校の通信環境を整備して、学校教育に取り組んでいくことがGIGAスクールの取り組みの一つです。

理系パパ
理系パパ

Youtubeで文部科学省が「GIGAスクール構想」について説明動画をいくつか上げています。
親としては一度目を通しておきたいですね。

GIGAスクール構想の問題点は理想と現実のギャップ!

 次に、GIGAスクール構想で問題とされている点について解説します。

 「GIGAスクールがやばい」と言われることもありますが、GIGAスクール構想の狙い自体は重要だと私は思っています。

 しかし、理想と現実にギャップがあり、実施する上で運用上の問題が立ちはだかっている印象です。端末配布や通信環境を整備すれば達成できるものではありません。

学校の先生の教育が不足

 まず一つ目はの問題点は、学校の先生のITリテラシーに差があることです。

 GIGAスクール構想の狙いの一つに情報技術教育、要はプログラミングがありますが、そもそも学校の先生は情報技術の専門家ではありません。

 専門家どころか、素人からのスタートが実態ではないでしょうか。

 先生達が子どものときにはもちろんプログラミングを学校で習っていませんから、先生達も新たに勉強になります。そんな情報技術素人の先生がいる一方で、プログラミングや情報を専攻してきた先生もいらっしゃるでしょう。

 つまり、先生によりICT能力に大きな差が生じてしまいます。

 当然、生徒への教育の質は大きな差が生じるでしょう。

理系パパ
理系パパ

私も学校の先生をしている友人が複数人いますが、全員「Society5.0」と「GIGAスクール構想」の説明ができませんでした。

(学校の先生に)Society5.0という言葉をご存知ですか?とお伺いすることがあります。半分くらいの先生方はご存知ない。

文部科学省主催 Youtube「GIGAスクール」ch ”「GIGAスクール構想」とは”より

学校や先生の負担、運営上の問題

 「じゃあ、先生も情報技術の勉強をして下さい!」とは簡単には言えません。ただでさえ教員は忙しい。

 ですが、GIGAスクール構想の狙いを実現するには、先生もICT技術について学び、取り入れていかなければなりません。つまり、先生にとっては仕事が増えると言えます。

 また、運用上の別問題としては、「生徒のタブレットが壊れる」や「学校の通信環境が悪い」など、授業に取り入れていく上での運営問題も発生しています。

理系パパ
理系パパ

そりゃあ、小学生が毎日使っていたら、タブレット端末は壊れますよね。

(私も教科書や筆箱はもちろん、ランドセルなんて投げ放題でボロボロでした。)

子どもの健やかな成長への影響

 情報端末を用いた学習を長時間することは、身体的負担が大きいです。眼精疲労や肩こり、姿勢悪化など、デスクワークをするビジネスマンに起きていたような現象が、小学生の体に起きています。

 また、一部研究ではデジタル教材は集中力や学習能力を低下させるという発表もあります。

急激にデジタル学習へ舵を切ることで、実は集中力や学力低下を将来招くことになる可能性も懸念されます。

理系パパ
理系パパ

子どもにスマホをいつ持たせるか?

情報モラルを小学校から教育をしてもらえるのは、親としては嬉しいポイントではありますね。

まとめ!問題点を理解して家庭教育に活かそう!

 GIGAスクール構想とその問題点について解説してきました。

 GIGAスクール構想は、小学生から情報モラルを教育するなど重要な狙いがあります。しかし、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、上記のような問題があるということを親として頭に入れておきたいですね。

 一個人の意見としては、情報モラルや情報技術の教育は、国や学校任せではなく、親として家庭教育でもしっかり教育していかなければならないと感じました。

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