話題のSTEAM教育を現役エンジニアが解説!幼少期から絵本で簡単に始めよう!

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バトン開発エンジニア

子育て中の理系パパ。機械工学、半導体製造技術の先端技術が専門。

AI時代を生き抜く思考、社会人基礎力、STEAM教育など、これからの時代に必要とされる力を子どもへ伝承すべく、絵本作成など活動中。我が子で実践しながら思考錯誤の日々。

現在、機械系エンジニアとして開発職で働きながら、「子どもに幸福な未来をつなぐ」バトン開発を立ち上げ、事業を運営。

このブログでは「子どもの幸福な未来」のために親としてできる教育に関する情報を中心に発信しています。

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 近年、国際的にも話題となっている「STEAM教育」は、AI時代を生き抜くための不可欠なスキルと位置付けられる基礎教養として注目されています。

 具体的には、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、アート(Art)、数学(Mathematics)の5つの分野を組み合わせたものであり、子どもたちがこれらの知見を深めながら、創造力や問題解決能力、そして論理的思考力を養うことが目的の一つです。

 「STEAM教育の重要性が分からない」「小さな子どもにSTEAM教育は難しいのでは?」と思う親も多いと思います。

 そこで今回は、STEAM教育の概要とその重要性、さらには幼少期から取り組める方法について現役の機械系エンジニアである筆者の見解も踏まえて詳しくお話しします。

 最後に紹介する絵本によるSTEAM教育も、楽しく読み聞かせをしながら自然とSTEAM分野の学びに導く絶好のツールで、オススメなのでぜひ実践してみてください。

STEAM教育とは?社会の価値創造力を伸ばす教育!

 「STEAM教育」とは、
 ・科学(Science)
 ・技術(Technology)
 ・工学(Engineering)
 ・アート(Art)
 ・数学(Mathematics)
の5つの分野育成に注力する教育アプローチです。

 AIやロボティクス、IoTなど技術変化の激しい時代において、文字通り、科学/技術分野に強い人材育成を目的としています。

 アメリカで提唱され、日本のみならず世界中で注目されている手法です。日本でも近年STEAM教育の重要性が広まり始め、世界に遅れながらも、国として文部科学省が教育方針に組み込むように指針が示されています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/mext_01592.html
※文部科学省「STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進について」

 一般的には、理系や文系を分離して考えるのではなく、STEAMの5分野を通して、創造力/問題解決力などを育成し、社会的な価値創出に繋げることを期待されています。技術、工学、アートが入っていることから分かるように、単なる学問を極めるのではなく、ものづくりなど、社会への価値を生み出す創造力が一つ着眼点となっています。

 もはや、情報リテラシーやAIの活用など技術的な領域も理系のみの特権ではなく、幅広く一般教養として教育に盛り込んでいく必要があると解釈されています。

 筆者はいわゆる理系で、現役の機械系エンジニアです。筆者はSTEAM教育が近年注目されている大きな理由にいわゆる”理系”の不足と理系人材の重要性が高まっていると考えてはいますが、それについては後の章で述べます。

STEAM教育の重要性は?問題解決や思考力の基礎力を高められる!

 STEAM教育が注目されている理由は、その教育効果が「問題解決力」や「思考力」の向上に直結するからです。

 筆者が思う言葉でもう少し具体的に表現すると、STEAM教育の効果は、「指示された(用意された)仕事を遂行する力ではなく、自ら課題(仕事)を見つけて解決する能力」であると思います。

 AIが仕事を奪うかもしれないという論調もありますが、奪われる仕事と、AIに代替できない仕事があります。それがまさに自ら課題を発見して解決する「問題解決力」だと思います。

 AI時代を生き抜くための幼児教育については以下記事も読んでみてください。

 多くのSTEAM教育向けプログラムや玩具等は、実際にモノを操作したり、自分で組み合わせを考えたりすることで、問題解決力を育成することを目指しています。代表的な例としてプログラミングや工作、ブロックなどはまさに、答えのない自由な創造が大切です。

 また、筆者が個人的に思うSTEAM教育の重要な効果は、子どもたちに「創造する楽しさ」と「考える楽しさ」を伝えることです。

 私自身も、幼少期はダンボール工作をしたり、絵を書いたり、プラモデルを作るのが大好きでした。今思うと、いずれも答えのない自由な遊びで、こうした幼少期の経験から、モノづくりが好きになり、機械工学を専攻することに繋がっています。

 まさに筆者自身も、幼少期のSTEAM教育は理系領域へ興味を持つための入り口となったのです。

筆者の考えるSTEAM教育とは?現役エンジニア目線で目的を考える!

 私筆者は理系で、工学の修士課程を卒業後、現役の機械系エンジニアとして働いています。ザ・理系です。

 現役エンジニアとして半導体関連の装置開発などに従事しており、先端技術の集まる場所でエンジニアとして身を置いています。そこで感じるのはそもそも理系の技術者/開発者 が不足しているということです。

 また、文部科学省の「STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について」資料によると、理系志望の中学生はそもそも20〜30%でした。理系人材の育成に国も危機感を持っているようです。

 では、本題のSTEAM教育とは?に戻りますが、筆者は下記2点を目指すものと考えます。

 ・”理系”人材の養成(国として理系人材不足の解消)
 ・問題解決能力の高い価値創造力のある人材の養成

 筆者の偏った見方ですが、理系のエンジニアは目の前の仕事の目的を解釈して問題発見・解決能力も高い傾向にあると思います。それは、深い専門知識はもちろん、学生時代から日々の研究を通して、思考力と問題解決能力を高める訓練を受けてきたからだと思います。理系はその学習過程で、特殊な訓練を受けるということかと思います。

 真価は言われたことや書かれたことを実行する能力ではなく、自分で課題を見つけて問題解決をする能力が重要です。(みなさんも会社で働いていると感じないでしょうか?)

 エンジニアの仕事は自ら課題を見つけて解決することで価値を生み出す仕事です。

幼少期のSTEAM教育とは?知育玩具と合わせてSTEAM教育絵本もオススメ!

 それでは、幼少期にできるSTEAM教育はどんなものがあるでしょうか?

 まず、STEAM教育に主眼を置いた知育玩具は多いですが、簡単な電子工作キットや、組み合わせ遊びなどができる発想力を養う系知育玩具はオススメです。特に工学や技術に関連したおもちゃも世の中には多く揃っています。

 また、筆者オススメはダンボールや紙の工作です。STEAM教育のE(工学)や、A(アート)にの入り口となる教育です。家にダンボールや新聞紙、テープやハサミなど用意するだけです。筆者も車やお城など好きなものを作って遊んでいました。

 ここで、一つ意外なものを紹介します。それは「STEAM教育の絵本」です。科学や数学、最新技術に関する絵本に触れることで、幼少期からでも身の回りの科学に興味を持つようになります。

 筆者作成の絵本については下記よりストアでご覧頂けます。

 小学校高学年になってくると、自ら読んで科学の世界を学んでいくでしょう。絵本は子どもたちの脳をより活性化させ、学びを深めるきっかけになります。

 絵本と工作を組み合わせて活用することで、よりバランスの取れたSTEAM教育を実践することが可能です。

 最後に、幼少期のSTEAM教育の立ち位置について意見を書きます。

 そもそも本当の意味でSTEAMの5分野を使えるようになるには大学などでの専門的な高レベルの教育が必須です。(たとえ大学院まで行っても、学生時代だけでは本当の意味で使えるようになるとは言えないです。)

 私は幼少期のSTEAM教育はSTEAM5分野への興味を持って受け入れる素地を作る準備期間として重要だと考えます。つまり、ぶっちゃけて言うと、STEAM5分野への興味を持たせて、理系へ進むための選択肢をしっかり持たせる期間と考えます。

 もちろん、その上で、どのような道へ進むかは子ども本人が決めれば良いと思います。ただ、選択肢の用意は親として準備できることがあるのではないでしょうか?

まとめ

 STEAM教育は、子どもたちの未来に必要なスキルを楽しく育むための素晴らしい教育アプローチです。科学、技術、工学、アート、数学の5つの分野を組み合わせて学ぶことで、子どもたちは創造力や問題解決能力、思考力を自然に伸ばすことができます。

 幼少期から始めることで、学びの楽しさを知り、将来に向けた確かな基礎を築くことができるでしょう。絵本や知育玩具を活用しながら、家庭で無理なく取り組めるSTEAM教育を実践してみてください。楽しみながら学ぶことで、子どもたちの成長を支える素晴らしい土台を築くことができます。

 以上、筆者の個人的な見解も解説してきました。ぜひ参考にしていただければと思います。

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