子どもの思考力を伸ばしてあげたいですよね。やはりこれからのAI時代、いや、いつの時代も思考力が求められる時代です。
中でも、抽象的思考が注目を集めています。抽象的思考は、具体的なものの背後に隠れている本質や共通点を見つけ出し、新たなアイデアや解釈を生み出す力です。この能力は、子どもの勉強や日常生活においても非常に大切であり、AI時代を生き抜くための基礎力と言われています。
特に幼児期における抽象的思考力の発達は、その後の学習や社会生活における成功を左右する「分岐点」と言っても過言ではないです。
ではどうすれば育てることができるのでしょうか?私のおすすめの方法は絵本読み聞かせです。
絵本は、ストーリーを通して抽象的思考を育む絶好のツールです。親子で絵本を読みながら、子どもたちは物語の奥にあるテーマや教訓、メッセージを自然に理解し、抽象的な思考力を養っていきます。
この記事では、抽象的思考の必要性と、絵本がどのようにして子どもの抽象的思考を育むのかについて解説します。
抽象的思考は見えない特徴を抽出する力!思考の基礎中の基礎!
抽象的思考とは、具体的な物事の背後にある共通の特徴を見つけ出し、目には見えないものを解釈する力です。例えば、リンゴとオレンジという二つの具体の共通点を見つけ、「果物」というカテゴリーに分類することは抽象的な考え方の一例です。
この抽象的思考は、学校での勉強や日常生活、さらには人間関係においても、物事の本質を理解し、新しい視点から考えるための基礎となります。特に幼少期における抽象的思考の発達は、子どもの将来の学習能力や問題解決能力に大きな影響を与えます。
以下記事で、抽象的思考の役割について詳しく書いています。ぜひ読んでみてください。
幼少期に抽象的思考を養うことは、子どもにとって「考える力」の土台を築くことに他なりません。書籍「13歳から鍛える具体と抽象」にも抽象的思考の位置付けについて以下のような記述があります。
「具体と抽象」というのは「言葉」や「数」のように、すべてのことを学んだり活用したりする場合に基本中の基本となるものです。
細谷功 著 ”13歳から鍛える具体と抽象”
勉強は究極の抽象化!抽象的思考力を身につけた子どもは賢く生きる!
学校の勉強は何の役にも立たないと思いますか?
確かに、そう感じる瞬間はあったかもしれません。子どもに何の意味があるのか聞かれると、答えに困るかもしれません。しかし、具体と抽象を意識すれば、少しは役に立つものだと思えてきます。
というのも、学校の勉強は、具体的な事象を抽象化して理解し、それを応用するプロセスそのものです。例えば、数学。「x」や「y」は究極の抽象です。xやyで表される式/関数には具体的な数字を入れることができるいわば抽象の表現と言えます。
また、歴史や社会の授業では、単なる年号の暗記教科で終わってしまう人が大半かと思いますが、
抽象的な見方をすれば、歴史上の出来事でも、本質は今も昔も同じものも多く、友達との付き合い方、会社での振る舞いなどに活かそうと思えば活かせる教訓も多いと思います。
逆説的ですが、「一見直接はどこにも役にたたない記号(xやy)を使うことによって、どこにでも使えるようになる」のが数学の威力であり、数学という抽象化を極めた学問が表現することの意味です。
細谷功 著 ”13歳から鍛える具体と抽象”
抽象的思考力を早い段階で身につけた子どもは、学校の勉強だけでなく、将来社会に出たときにも柔軟に問題を解決し、新しいアイデアを生み出す力を持っています。
この抽象化の能力は、単なる学問の世界に留まりません。人間関係や仕事においても、相手の言葉や行動の背後にある意図を理解し、適切に対応するためには、抽象的な思考力が必要です。
目の前の出来事を見て、何か他の話と同じでは?と考える思考が身に付くので、結果的に「賢く生きる力」を手に入れます。
読書は抽象的思考のトレーニング!AI時代こそ読書の重要性は増している!
現代はAIや機械学習が進化し、データの処理やパターン認識の面で機械が人間を上回る時代です。しかし、AIが得意とするのはデータの分析や既存のパターンに基づく判断です。一方で、人間が持つ最大の強みは、データ分析結果の読解力や抽象的思考力にあります。
AI時代の子どもに必要な能力については、下記記事にも記載しています。ぜひ読んでみてください。
では、どうやって抽象的思考を鍛えられるのでしょうか?その一つは読書です。
読書の効果に「知識・知見を広げる」と考える方も多いかと思います。もちろん、それは正しいと思います。ただ、知識を得るだけなら本を読む必要はなく、ネットでサッと調べれば済むかもしれません。
ネットにはなく、読書ならではの効果は「複雑な具体と抽象の繰り返し」にあると思います。ネット記事ではなく、何万、何十万文字を使って記述される文章には、大量の具体と抽象が含まれていて、本の内容理解には抽象的思考が欠かせません。
「つまり」「要するに」「例えば」など。具体と抽象を行き来するトレーニングとして読書は最適です。
特に、AI時代では、大量のデータや情報に触れる機会が増えますが、それをどう活用し、どのように新しい価値を生み出すかは人間の創造力と抽象的思考にかかっています。単なる情報の処理ではなく、その背後にある意味や意図を読み取り、それを応用する力がますます求められています。
絵本の読み聞かせで子どもの抽象的思考を鍛えよう!
では、幼児期や小学生のうちから早期に抽象的思考を育てるにはどうすればよいでしょうか?
私のおすすめは絵本読み聞かせです。中でも、教訓を含んだ絵本です。昔話や童話にはよく教訓が含まれています。
そのストーリーに出てくる、具体的な登場人物の行動や発言、その結末(オチ)から教訓を学ぶプロセスは抽象的思考のトレーニングになります。
例えば、「アリとキリギリス」。
働きアリとサボっているキリギリスの話を通して、日々努力をして、将来を見通した行動の大切さを教訓として抽出することができます。単にストーリーを読むだけでなく、子どもと対話をしながら進めるのも良いかと思います。
昔話や童話以外にも、バトン開発では、抽象的思考を鍛える教訓絵本「バトン絵本」を作成しています。バトン絵本については下記記事も読んで見てください。
どうせ読むなら、子どもの思考力に役立つものを買ってあげたい!と思った方にバトン絵本はおすすめです。
もちろん、絵本の読み聞かせ自体が素晴らしい行為です。難しいことは考えずに、まずは読み聞かせを継続することが一番です。その上で、せっかく読み聞かせをするなら、子どもに役立つ内容の絵本がいいなという段階であれば色々な種類の絵本を読み聞かせてあげてください。
まとめ!絵本で子どもの抽象的思考を伸ばそう!
抽象的思考は、子どもにとって学びや生活の中で非常に重要な力です。目に見えない本質や共通点を見つけ出し、新たな発想や解釈をする能力は、勉強や人間関係、さらには将来の仕事においても必要不可欠です。
特に絵本は、子どもの抽象的思考力を自然に育む最適なツールです。物語の中で感情やテーマ、比喩に触れることで、具体的な事象を超えた思考を育てることができます。AI時代において、抽象的思考力を持つことは、人間にとって最大の武器となるでしょう。
親子で楽しむ絵本の読み聞かせを通じて、子どもに一生ものの力を育てていきましょう。それが、未来の成功に繋がる最初の分岐点となるのです。
コメント